さて、久しぶりにホンダのS2000の中古車相場を調べました。前回は2020年7月に中古車相場を調べまして、約2年経過しました。
S2000は発売以来ずっと人気の車種であり、絶版になってからは中古車価格は上昇しています。特にここ数年の値上がりはこれまでよりも顕著で短期間で大きく値を上げている印象です。やはり絶版であることや特殊なパッケージングが関係していると思いますが、投機目的の購入が増えたことも要因のひとつでしょう。
2020年時点ではそこそこ高値の相場を形成していましたが、2022年現在ではどうでしょうか。今回もさまざまな条件でS2000の相場を調べました。
2022年5月現在のS2000の相場
今回も調査はカーセンサーを利用して行いました。
条件なし、修理歴無し、修理歴無し・走行10万キロ以下、修理歴無し・走行5万キロ以下、タイプS、低走行車両の条件で検索しています。
条件なし
2022年5月現在の登録台数は274台。2020年７月は176台でしたので中古車の流通量は大きく増えているようです。
最安値のものは、1999年式、シルバー、走行18.7万キロ、修理歴有り、MT、車両価格165万円です。最安値でも状態は特別悪くないように感じますが、やはり過走行で修理歴有りの車両になってしまいます。
走行距離18万キロというのは、普通の車であればほとんど無価値といえる距離です。当然買取に出しても値段は付かないでしょうし、売値もほとんど０円に近いでしょう。
しかしS2000のような人気のある車種になると走行距離がどれだけ伸びていようとも値段は下がらず、中古車も高く、また自分が所有していて売る際にも高く売れるということになります。
条件なしのS2000の中古車相場
- 1999年式、シルバー、走行17.6万キロ、修理歴有り、MT、車両価格175万円
- 2001年式、ブラック、走行18万キロ、修理歴有り、MT、車両価格176万円
- 1999年式、シルバー、走行16万キロ、修理歴有り、MT、車両価格177万円
- 1999年式、レッド、走行17.1万キロ、修理歴有り、MT、車両価格193万円
- 1999年式、ブルー、走行15.7万キロ、修理歴有り、MT、車両価格195万円
S2000は状態を問わず一定以上の相場が形成されているようです。とりあえず乗れればいいというのであれば180万円前後が相場となっています。
走行距離が多くても整備状況が良好であればまだまだ乗れるという車両もあるとは思いますが、予算が許すのであればもっと低走行の車両を選びたいところです。
修理歴無し
次に修理歴無しという条件で中古車を見ていきましょう。
修理歴無しの登録台数は191台です。条件なしに比べて登録台数は80台ほど減少しています。しかし修理歴無しの車両が191台あるということに少し驚きました。S2000は走りの車ですからなにかしらの修理歴がある車両がほとんどだと思っていたので意外でしたね。
最安値は、1999年式、シルバー、走行15.5万キロ、MT、車両価格207万円です。
修理歴有りに比べると最安値の価格が40万円ほど高くなっています。一般的に修理歴があると価格が下がるのでこれは自然な値付けだと思います。
修理歴無しで安い車両だと以下のようなものがあります。
修理歴無しのS2000の中古車相場
- 1999年式、シルバー、走行14.3万キロ、MT、車両価格213万円
- 1999年式、シルバー、走行11.9万キロ、MT、車両価格218万円
- 1999年式、シルバー、走行19.2万キロ、MT、車両価格219万円
- 2002年式、ブルー、走行18万キロ、MT、車両価格230万円
- 2002年式、レッド、走行23.6万キロ、MT、車両価格238万円
修理歴無しの車両に限定すると車両価格は200万円を超えるため、どうしても修理歴無しの車両が欲しいというのであれば最低でも200万円以上用意する必要があります。
しかし安い車両は過走行のものが多いので修理歴がないからとって必ずしも車両の状態が良いとはいえません。購入するのであれば実車を見てどのような状態なのかを確認した方がよさそうですね。
カラーはシルバーが多いので、レッドやブルーなどの原色系はかなりレアです。そのため原色系カラーの車両はシルバーの車両よりも少しだけ価格が高くなっています。
修理歴無し・走行10万キロ以下
条件を厳しくして、修理歴無し・走行距離10万キロ以下で検索します。
これらの条件に当てはまる登録台数は148台です。２年前よりも50台ほど増えています。
最安値は2001年式、シルバー、走行9万キロ、MT、車両価格258万円です。このくらいの状態であれば普通の中古車といった感じ。年式を考えると過走行ともいえず、人気車種であることを考えると高いとも言えないでしょう。
修理歴無し・走行10万キロ以下のS2000の中古車相場
- 1999年式、シルバー、走行10万キロ、MT、車両価格279万円
- 2002年式、シルバー、走行7.6万キロ、MT、車両価格298万円
- 2001年式、ブラック、走行9.2万キロ、MT、車両価格298万円
- 1999年式、イエロー、走行9.5万キロ、MT、車両価格299万円
- 2000年式、シルバー、走行7.2万キロ、MT、車両価格318万円
走行距離が10万キロ以下の車両は安くとも300万円近い相場を形成しているようです。また同じような車両価格でも走行距離は7～9万キロと幅広いです。
できるだけ低走行なものを選びたいところではありますが、９万キロ台が走行距離と価格のバランスを考えるとねらい目かもしれません。
修理歴無し・走行5万キロ以下
さらに走行距離５万キロ以下という条件で見ていきましょう。
これらの条件に当てはまる登録台数は65台です。年式を考えると５万キロというのは低走行な車両と言えますので数が少なくなっています。
最安値は1999年式、シルバー、走行4.5万キロ、MT、車両価格347万円です。走行距離５万キロ以下で300万円台の車両はかなり少ないので狙い目でしょう。
修理歴無し・走行5万キロ以下のS2000の中古車相場
- 1999年式、シルバー、走行3.8万キロ、MT、車両価格373万円
- 1999年式、シルバー、走行4.9万キロ、MT、車両価格379万円
- 1999年式、シルバー、走行2.8万キロ、MT、車両価格385万円
- 1999年式、ブラック、走行4.6万キロ、MT、車両価格389万円
- 1999年式、ブラック、走行4.9万キロ、MT、車両価格398万円
400万円前後で走行距離の少ない車両を購入することができます。いまS2000を買って長く乗るというのであればこのあたりの車両を検討したいところですね。しかし安い車両は初期型の車両がほとんどですから、後期型を購入しようと思うならばもっと予算が必要になります。
タイプS
S2000の人気グレード、タイプSに限定して検索してみると、2022年５月現在の登録台数は20台と数えるだけしかありません。
最安値は、2009年式、シルバー、走行8.4万キロ、修理歴無し、MT、車両価格449万円でした。状態も悪くありませんし、高年式のタイプSであると考えれば妥当な価格だと思います。もっと値上がりしていると持っていたので、まだ400万円台でタイプSが買えるという事実に驚きました。
S2000タイプSの中古車相場
- 2008年式、ブルー、走行6.4万キロ、修理歴有り、MT、車両価格458万円
- 2008年式、ブラック、走行8.1万キロ、修理歴無し、MT、車両価格566万円
- 2007年式、ホワイト、走行7.8万キロ、修理歴無し、MT、車両価格598万円
- 2009年式、ホワイト、走行8.4万キロ、修理歴無し、MT、車両価格599万円、認定中古車
- 2008年式、ホワイト、走行8.5万キロ、修理歴無し、MT、車両価格648万円
やはりタイプSは人気のグレードなので価格は高めです。400万円台ならお買い得、500～600万円台が通常の相場となっています。価格だけをみると高いと思われがちですが、S2000のタイプSは今後も値下がりすることはありませんのでいつ買っても損することは無いでしょう。
低走行車両
現存するS2000の中で低走行の車両を見ていきましょう。
2022年5月現在でもっとも走行距離が少ないものは、2010年式、パープル、走行2160キロ、修理歴無し、MT、車両価格応談、オリジナルコンディションのタイプSです。これはほとんど新車のような状態で、S2000に対していくらでもお金を出せるのであれば即買いレベルの車両ですね。
低走行車両は他にも以下のようなものがありました。
低走行車両のS2000の中古車相場
- 1999年式、シルバー、走行0.5万キロ、修理歴無し、MT、車両価格598万円
- 2008年式、ブラック、走行0.7万キロ、修理歴無し、MT、車両価格応談、タイプS
- 2009年式、ブラック、走行1万キロ、修理歴無し、MT、車両価格798万円
ここまで低走行の車両は貴重ですが、価格が高く簡単には手を出せません。S2000の新車時の価格（約400万円）を大きく上回っておりプレミア価格となっています。しかしベストコンディションのS2000に乗れるのであれば安いのかもしれませんね。現在は800万円出したとしてもS2000のような車は新車で購入することができませんので。
S2000の相場は少し落ち着いた模様
出典：Wikipedia
前回の調査から2年経過して改めてS2000の相場を調べましたが、中古車の価格は少し落ち着いた模様です。
前回は1年で50万円ほど値上がりしていましたが、今回は2年で50万円の値上がりですから中古車価格の上昇は鈍っているようです。しかしコンディションの良い個体は減少しているため、思いのほか価格が上がっていないからと言って油断はできません。状態の良い個体を購入しようと考えているならなるべく早い方が良いでしょう。
ここ数年、GRスープラや新型フェアレディZなど国産スポーツカー復活の兆しが見えていますが、それでもスポーツカーにとって厳しい時代であることは変わりません。特にホンダはもうスポーツカーに力を入れておらず新たなスポーツカーが発売される可能性はほとんどゼロと言えるでしょう。当然、S2000の新型も出るはずありませんし、もし出たとしても控えめかつ高額なものになることは明らかです。かつてのようなS2000を求める人々が望む車になるかは疑問が残ります。
古き良きホンダの魂を味わえる１台と考えれば、S2000はいくら高くとも購入する価値があるのでしょうね。手に入りにくい車ではありますが、まだまだ選べるだけの数もありますから購入を考えているのであればいまがチャンスかもしれません。
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