さて、愛車のジムニー(JB23)に乗り始めて約3年となりました。
JB23の最終型を2018年4月に購入し、直後に新型JB64が販売されるという逆境にもめげずに約3年間乗り続けています。
あえて新型ではなくロングライフモデルであるJB23の最終型という完成された車を選んだのは、20年の販売実績があり成熟された信頼性の高い車だと考えたからです。
僕の勝手なイメージですが、ジムニー乗りはあまり乗り換えをせず長期間ジムニーに乗っていると思いますので、3年というのはまだまだ短い方だろうと思います。ただ僕なりに3年間ジムニーに乗ってみて気づきや感じたことがありましたので記録しておきます。
あまりいないとは思いますが、中古のJB23の購入を検討中の方には少しだけ参考になると思います。
JB23ジムニーの良いと感じた部分
維持費はかなり安い
ジムニーは軽自動車ということもあり維持費がとにかく安いと感じました。
主な車の維持費はガソリン代、自動車税、タイヤ代、車検代、保険料です。
ガソリン代
ガソリン代について、現在の僕の走行距離だと毎月約4,500円です。
月350~400km走りますがガソリンは月に1度の給油です。平均燃費は10~13km/Lでした。
以前乗っていた車はインテグラタイプR(DC5)とM3(E46)でしたが、どちらも燃費はあまりよくなかったので、比べるとジムニーの燃費は良い方だと感じます。車に乗る以上はガソリン代がかかって当然と思っているので必要以上に燃費は気にしていません。
ただしジムニーの燃費は軽自動車の中ではあまり良い方ではないため、燃費の良い車を探している方には向いていません。
自動車税
ジムニーは軽自動車なので毎年の自動車税は10,800円です。自動車税は軽自動車と普通車で区切られており、ジムニーに限らず軽自動車であればほとんどの車は1万円程度に収まります。
この自動車税は必ず支払わなくてはいけないものでありさらに毎年かかる費用です。ですから自動車税が高い車を選んでしまうと維持費に大きく差が出ます。
普通車だと排気量によって税金が上がっていくため、大排気量の車ほど毎年の自動車税は高くなります。例えば僕が欲しいシボレーカマロですが、排気量は6,200ccであり、自動車税は毎年111,000円です。
タイヤ代
ジムニーのタイヤサイズは175/80R16です。これは軽自動車の中ではかなり大きい方で、普通車でもコンパクトカーなどに比べれば大きいです。
特に扁平率が80と大きく、やはりオフロード走行に特化しているということが伺えます。普通車のSUVなどであっても扁平率80という車は多くありません。
タイヤについては種類にもよるので一概には言えませんが、純正のデューラーHTであれば1本1万円ほどで購入できます。ATタイヤやMTタイヤになると価格が高くなりますが悪路走破性と見た目が良くなります。
カスタムパーツが豊富
ジムニーはカスタムパーツの豊富な車です。これはジムニーという車の人気とカスタムのしやすさゆえだと思います。
実際にジムニーは他の車種に比べると整備性が良く、僕のような素人でもある程度は自分でカスタムすることができます。
以下に3年間で行ったカスタムをまとめました。
フロントスピーカー交換
購入後、最初に行ったカスタムはフロントスピーカーの交換でした。
ジムニーの純正スピーカーはチープで音質があまりよくありません。僕は運転中に音楽を聴くのでさすがの安っぽさに耐えかねて音質の改善を図りました。
フロントスピーカーを社外品に交換するだけでかなり音質が良くなります。またフロントスピーカーの交換は非常に簡単で、必要箇所を外してスピーカー本体を交換するだけ。作業時間も初見で1時間あれば十分でしょう。
僕の購入したカロッツェリアのスピーカーにはツィーターが付属しておりその配線に少し苦労したくらいです。
リアスピーカー取り付け
10型のランドベンチャーというグレードを購入しましたが、標準ではリアにスピーカーが装備されていません。
フロントスピーカー交換を社外品に交換したため、フロントに装着されていた純正スピーカーが余っており、それをリアに取り付けています。リアスピーカーは付いていればよいので音質にはこだわりませんでした。フロントとリアはサイズが異なりなすが取り付けは可能です。
リアスピーカーの取り付けにはリアの内装を全て外す必要があり、かなり苦労しました。ただジムニーのカスタム情報はネット上に多く存在しているため自分で行うことができました。
テールランプ交換
テールランプの交換を行いました。MBROサンダーテールのスモークレッドを選びましたが、車体色のクールカーキとの相性は抜群でした。
JB23は基本設計が20年前のままで、外装パーツも20年前の形状ですから、テールランプを交換するだけでやぼったさがなくなります。
取付等の詳細については記事を書きましたのでご覧ください。
マフラー交換
一時期、純正のマフラーからウィルズウィンの砲弾型マフラーに交換していました。
マフラーは車のサウンドに大きく影響するパーツで、車好きの方であれば最初に交換するパーツなんじゃないかと思います。
ジムニーは最低地上高が高いのでマフラー交換も容易です。僕は作業性を重視してリアバンパーを取り外しますが、車の下にもぐってサクッと終わらせることもできます。
マフラーの種類も豊富なので形、音、価格など自分の条件に合うものを見つけることができます。現在は静粛性を重視して純正品に戻しています。
エアフィルター交換
個人的に最も手軽かつ効果的だったのがエアフィルターの交換。ターボ車の場合、キノコ型に交換する方も多いようですが、僕は純正タイプのK&Nエアフィルターに交換しています。
K&Nエアフィルターは湿式のエアフィルターで、定期的なメンテナンスを行うことで繰り返し使用可能です。形状も純正品と同等なので交換するだけという手軽さ。
エアフィルターを交換してから吸気音がよく聞こえるようになったことと、もさっとした感覚が減少しました。純正時は出足が重たかったのですが、こちらのフィルターはすぐに動き出せます。交換方法などは別記事にて紹介しています。
ミニコン取り付け
工藤自動車のミニコンを取り付けています。
ミニコンは超ライトECUチューニングといったところでしょうか。ECUからの信号に介入して吸気関係の調整を行うことでレスポンスの向上を狙います。
工藤自動車のミニコンはモード変更可能となっており、普段はレスポンスモードで走っています。
効果については単体で劇的な変化を感じられるようなものではありません。エアフィルター、マフラー交換と組み合わせると多少違いを感じます。
全然効果ないと思って取り外すと、明らかにレスポンスが悪かったりするので、慣れているだけで効果はあるようです。
JB23ジムニーの気になる部分
ラゲッジスペースにライトが付いていない
気になる部分その1。標準ではラゲッジスペースにライトが付いていません。
車内のライトはルームミラーの位置に1か所のみ。運転席はこれでも十分に明るいのですが、後ろまで必要な光量が確保できません。
オプションでラゲッジスペースにライトを取り付けることができるようなのですが、こんなものは最初から取り付けておいてほしいと思いました。それによって多少価格は上がるでしょうが、オプションで選ぶよりは車両価格に含まれていたほうがよいです。
とはいえジムニー乗りはこの不便な状況を楽しんでいると思います。カスタムしやすい車なので、不満があれば自分で解決するというおもしろさもあります。
間欠ワイパーの間隔設定が備わっていない
気になる部分その2。間欠ワイパーの間隔設定がありません。これはジムニーだけではなく多くの軽自動車に搭載されていないのでしょう。
僕は乗用車歯科乗ったことがなく、歴代の車には全て間隔設定が備わっていました。確かになくても問題はない機能なのですが、付いていないと案外不便。一定時間のワイパーでは雨の程度によってちょうどいいところで作動してくれないことがあり、雨の日はこれが気になります。
この機能はオプションでも取り付けることはできず、自身でカスタムの必要があります。トヨタの一部車種のワイパースイッチが使えるという情報がありますが加工が必要なようです。
JB23のワイパースイッチを交換する場合、最近ではソリオのワイパースイッチを流用するのが主流みたいですね。1万円程度で購入できるのですがこれも標準で装備しておいてほしいと思いました。
JB23ジムニーの走りについて
パワーはないが改善しやすい
ジムニーの走りについて、一言でいえばパワー不足。
ジムニーJB23はK6Aエンジンで、660ccターボですがさすがに非力です。車重も1トン近くあるため64馬力ではパワー不足を感じます。特に坂道を上る際はギアを2つほど落としてやっとといったところ。高速走行も苦手であり、ギアがローギアードなのでエンジンがかなりうなります。
しかしこれはジムニーに限ったことではなく軽自動車全般に言えることなので、ジムニーだけが特別非力ということではありません。むしろジムニーはパワーやレスポンスを向上させるカスタムが容易なので他の軽自動車に比べると改善しやすいと感じました。エアクリーナーとマフラー交換だけでレスポンスが向上し走りやすくなります。
そしてパワー不足はありますが、走りの方は悪くありません。小型なボディとターボ車のトルクでキビキビと走ることができ、背の高い小型軽スポーツのような感覚です。ただコーナーは苦手というか恐怖で、峠道では横転するんじゃないかと心配になります。
足元を気にせずに走れる
ジムニーはもともと不整地を走ることを想定して作られているので、悪路や障害物に強い車です。
ジムニーは最低地上高が200mmとかなり高く、町乗り程度で下回りを擦ることはありません。特に縁石に対しては強く、縁石が高いところから降りることも、逆に高い縁石を超えることもできます。ジムニーに乗り始めてからは縁石を気にしなくなってしまったため、いまから最低地上高の低い車に乗り換えると下回りをこすりそうです。
対障害角度もかなり余裕があります。純正でもアプローチアングル49度、デパーチャーアングルー50度、ランクブレークオーバーアングル32度となっています。ジムニーの公式走行動画を見ると、純正の状態でも階段を上る、V字溝を走る、ロックセクションを越えるという走行性能を見せています。ただしこれらになれていないドライバーの運転では不可能でしょう。車の持つポテンシャルは非常に高いです。
純正ですら驚異の走破性を見せるジムニーですが、さらにタイヤを交換し車高を上げることで走破性は向上します。このあたりは本格的なオフロードカスタムになってきますので、町乗りオンリーの僕は行っていません。
僕は北海道に住んでいるので冬は雪が降り積もります。そんな時、最低地上高の低い車は閊えて動けなくなったりしていますが、ジムニーに乗り始めてからは一度もありません。30センチ程度の雪であれば積もっていないようなもので、なんの障害もなく走ることができます。
乗り心地は軽トラっぽい
ジムニーの乗り心地ですが、お世辞にも良いとは言えません。シートのポジションやシフトレバーの位置など軽トラに近い部分があります。
しかし乗り心地が悪いかと言われるとそんなことはなく、一般的な車よりもユラユラするといった印象。足回りの構造の違いが大きいと思います。一般的な車の場合、中にいる人間の姿勢がなるべく変化しないように足回りが作られていますが、ジムニーの場合は人間よりも走破性重視の作り。
リジッドサスは障害物を乗り越える性能がほかのサス形式よりも高いですが、その分中の人は揺られます。なので道の悪いところを走ると常に体が揺られている状態になりますので人によっては酔うこともあると思います。しかし綺麗な舗装路を走っていてもあまり楽しさ感じず、むしろ悪路の方が楽しいと感じます。
3年乗ったJB23ジムニーの状態
車体に傷などはほぼ無い
ジムニー乗りの方は好んで走りにくい道に挑もうとする傾向が強いですが、僕は町乗りオンリー。ジムニーの性能を全く活かせない使い方をしています。
山などに行くと飛び石や擦れなどを受けるため必ずと言っていいほど車体にキズが付きます。一方、僕のジムニーに目立つ傷は無し。多少の線傷はありますが、大きくダメージを受けている部分はありません。一度だけドアを壁にぶつけて傷が付きましたが3mm程度。気になるようなものではありません。
故障は全くなし
この3年間で故障したことは一度もありません。ちょっとした不調すら皆無です。
そもそもジムニーは構造がシンプルなので壊れるような箇所がないのでしょう。最近は車のIT化が進み、どちらかといえば家電に近い作りになっているようですが、JB23に関しては基本設計が20年前の車ですから現代においては遅れているともいえます。しかしジムニーの性質上、道なき道を走ることも多いため故障してもすぐに直せることが重要になります。オフローダーはシンプルな方が好まれます。
故障は全くありませんがスズキのリコールが多く、対象車種の中にJB23ジムニーも含まれていることがあるため定期的にディーラーに行ってリコールを受けています。
JB23ジムニーの内装カスタムは難しい
内装のカスタムは難しいと感じています。運転中は運転席周りが目に入りますので、このあたりがカッコいいとテンションが上がります。新型のJB64の運転席周りはかなりカッコいいのでうらやましいです。
JB23についてはカスタムパーツこそ豊富なのですが、パネルのカラーを変更するといったものが主流です。確かにカラー変更で雰囲気は変わりますが、全体的な印象はそう変わりません。JB23の内装カスタムでこれといったものは見たことがなく、ジムニー乗りは内装よりもバンパー交換やリフトアップなど外装を重視する傾向にあるようです。
確かにジムニーの内装はシンプルで飾り気がないものなので、車の性格に合っているかもしれません。
JB23ジムニーはは狙い目
いまJB23は狙い目です。
まずはJB64が販売されていること。JB64はいまだ大人気で2年前のオーダー分をいまだに納車できていないという状況にあります。JB64が欲しいという方はどうしてもJB64が良いのでJB23では替えが効きませんが、ジムニーが欲しいというのであればJB23はオススメです。
旧型のジムニー(JA12,JA22などなど)は真のジムニー好きが乗るもので、年式や価格を考えればライトユーザーには向いていません。普通に乗るというだけであれば性能も価格もちょうどよいJB23がベストチョイスです。
さらにJB23はロングライフモデルなので同じ見た目で20年の幅広い年式から選ぶことができます。予算に余裕があれば新しいものを、価格を抑えたいなら古いものを選べばよいのです。どれを選んでも信頼性は高いので問題はないでしょう。
年式の新しい走行距離の少ないものを選べばリセールも良いので乗り換えの際にも有利になります。
まとめ:ジムニーは付き合いやすい車
総評として僕はジムニーを「付き合いやすい車」だと思っています。
とにかく頑丈でシンプルなのであれこれと考える必要がない、自然体で所有できる車です。
カーライフはどうしても車が中心になりがちですが、その車を通してどういった体験ができるかの方が重要であり、そういった面でジムニーは自分という存在を引き立たせてくれるいい車だと思います。
ジムニーは3年前に勢いで購入したのですぐに飽きて手放すかと思いましたが、逆にもっとも所有期間が長い車になりました。
正直、僕は重心が低くてパワーのある車が好みなので、その真逆のジムニーは自分と合わないだろうと考えていました。しかし実際に乗ってみるといままでの車とは全く違う感覚で、スピードを出すことだけが楽しみだった自分の世界が開けた気がします。
とはいえ僕はまだジムニーを楽しみ切れていません。3年間で15,000kmしか走っていませんし、キャンプ用で買ったはずなのに一度も行っていません。
今年は時間ができるので北海道のキャンプ地をジムニーで回ってみようと思います。通勤ばかりだったジムニーを最大限活かして楽しみたいと思います。
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